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2009年06月05日

雨の中見た三人

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仕事帰りの雨の中、アタシの前を歩く二人。
小柄な初老のご婦人(以下、おばさん)ともう一人。

おばさんは傘をさしてるけど、もう一人も傘をさした状態でおばさんにびったりとくっついている。おかげで傘の先がおばさんに刺さりまくり! 「それじゃおばさんびしょ濡れになるだろーに!」と思っていたんだけど、ふと立ち止まった二人をみて、状況を把握。その一人は、おばさんがいないと歩けないんだ。いや、機能的な問題じゃなくてね。

しかし直後、新たな光景が目に入ってきた。おばさんの前に車イスが! おばさんは右腕にもう一人つれながら、傘を差し、さらに車イスを押していたんだよ! 車イスには男性が座っていた。おばさんはその男性が濡れないように傘をさしてたんだけど、うまくカバーできなかったようで、さしなおしていたのね。右腕はもうひとりがしがみついた状態で車イスを押し、左手で傘をさし出して男性を雨から守るというスタイルだったみたい。すると男性が「俺はいい。俺はいいから」とちょっとろれつの回らない声でいうのね。

脳血栓かなにかで倒れられたのかしら、なんて勝手に想像しつつ、さらにおばさんの人生とか日常生活を一瞬想像して、彼女が抱えているものの大きさに複雑な気分になったわ。

いろんな思いや考えが脳内で交錯したんだけど、でも全部こちらの一方的な想像に過ぎないのよね。勝手な想像で深く考えるのはよそう……アタシはそう考え直して、おばさんに心の中でエールを送りつつ、その近くを通り過ぎましたの。

投稿者 suzumari : 2009年06月05日 19:43

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