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2007年10月29日

最近読んだ本「写真とことば」「写真を読む視点」

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もともと、展示会場などで作品としての写真と対峙したとき、それにこめられたものや表現の意味、意図を読み取る力を養いたくて、それ系の本を読みたかったのであります。だって、何が言いたいのかわかんないと寂しいっていうか、どうしていいかわかんないじゃない(苦笑)

近所の本屋には、この手の突っ込んだ理屈っぽい本がないので、Amazon。でもこちらは中が見えないから、賭けみたいなもんですね。で、2冊買ってみたと。

先に読んだのがこちらの「写真を読む視点」。

写真を“読む”視点 (写真叢書)
写真を“読む”視点 (写真叢書)小林 美香

青弓社 2005-07
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36フォトグラファーズ―木村伊兵衛写真賞の30年 (Asahi original―アサヒカメラ) 見るということ (ちくま学芸文庫) 写真とことば―写真家二十五人、かく語りき (集英社新書) 写真との対話 白と黒で―写真と…

まさに目的通りだろうと思えるタイトル。実際は期待していたものとちょっと違ったかな。写真の歴史みたいなものは解説してあった。どういう写真が、どんな歴史的背景のもとで撮られるようになったかとか、流行とか、誰の影響でどうなったとか。

でも、写真にこめられたものなんて、最終的には撮った本人しかわからないのと、見た側の捉え方もそれぞれだから、前者が「答え」だとしても、そういう解説がない限りは無限の後者。そこに、「どうみろ」と第三者が口を挟む余地などないのかしら、と思いました。何も考えずに撮った写真に「***を感じる!」といわれることもあれば、批判的な意味をこめているのに、なんで「かわいい」評価なの(^▽^;) と思うこともあるし。

少なくとも、読み解く目を養うには、見続けるしかないのかしら、と考えました。

そこでもう1冊。「写真を読む視点」が写真を見せられる側なのに対し、「写真とことば」は歴史に名を刻んできた数々の写真家たちが、何を考えながらシャッターを切ってきたのか、つまり、撮り手側の考えがわかるかもしれない1冊。

写真とことば―写真家二十五人、かく語りき (集英社新書)
写真とことば―写真家二十五人、かく語りき (集英社新書)飯沢 耕太郎

集英社 2003-01
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犬の記憶 (河出文庫) 天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書) 写真美術館へようこそ (講談社現代新書) 36フォトグラファーズ―木村伊兵衛写真賞の30年 (Asahi original―アサヒカメラ) 犬の記憶 終章 (河出文庫)

正直言うと、名前を存じ上げている方はごく一部だったりして、しかも作品に目を通したことがあるのはさらに限られてくるわけで、勉強不足も甚だしい状況での読書となりました。

実際、いろんなことを考えていらっしゃいました。実に個性的。この本のために言葉を寄せたわけではなく(ずいぶん昔にお亡くなりの方も多い)、過去に残したエッセイや、写真集に書かれていたことなどを集めているのですが、たかが写真、されど写真なんですね。結論がでないのが写真。命を賭けてしまうのも写真。そんな印象を持ちました。

中で一番個性的だったのが土門拳さんのページ。リアリズム重視の土門さん、サロン・ピクチャぶった切り! で、「サロン・ピクチャって何? たとえばどんな写真?」というのが今の自分の疑問だったりします。そんな感じで写真関連の本を読んでいるんですけど、当初の目的は前述の通りなので、本から得ることはできず。わからないときはひそかに悩むとします(爆)

でも本もいいけど、頭でっかちじゃしょうがないんですよねー(苦笑) 撮ってナンボ。でもやっぱりあてくしには芸術的センスとかそういうのはなくて、どうせならビジネス系がきちんと撮れるようになるべきなのかなーと考えていたりします。

でもそれもまた難しいのです。某編集さんと某社へ取材に行った際、同行したカメラマンさんの写真にハッとさせられましたもん。デジタルなんで、その場で「こんな感じですか?」と1カット見せられたんですけど、まさに稲妻っていうかですね、なんて情報量の多い写真なんだろう!って感動しました。

おそらくそれを見た人は、ただの商品イメージ写真にしか見えないはず。でも、確実に何かを受け取るはずなんですよ。商品の機能、自分が使っているときの様子、楽しい気持ち……そういうのを一瞬にしてイメージさせられる1枚の写真。その配置や構図などは、全部そのカメラマンさんが短時間で、そこにあるもので用意したんですねー。

いやーすげぇ! プロの仕事だーーー!

とびっくり&感動。

この写真がメインカットにあれば、記事も楽しく読んでもらえるに違いない! そんな期待感すら生まれる写真でした。もうね、デジ一持ってるし撮ってるしとか恥ずかしくていえないと思いました。最近は「とりあえずシャッター押せば写る」ことから、プロのカメラマンさんのお仕事がどんどん減っているんですって。まあ人によると思いますけど。でも、ホンモノの力は間違いなく違う! そう実感しちゃったんですね。

芸術的センスで何かを伝達できなくても、情報の塊としてのビジネス写真はきちんと撮れるようになりたい、ひそかにああなりたい、と思うわけですが、20年早く気づくべきだったという説もあります。

たはは……(苦笑)


ちなみに。

前述の2冊を踏まえてですね、あてくしがチャレンジしてみたのがこちら!

36フォトグラファーズ―木村伊兵衛写真賞の30年 (Asahi original―アサヒカメラ)
36フォトグラファーズ―木村伊兵衛写真賞の30年 (Asahi original―アサヒカメラ)
朝日新聞社 2005-04
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犬の記憶 (河出文庫)
フォトグラファーの仕事 (太陽レクチャー・ブック)
天才アラーキー 写真ノ方法 (集英社新書)


「よい」といわれる作品を積極的に観て、何かを感じよう、自分に活かそうという試みです。

でね、

やっぱりあんまりわからなかったの……orz

空が、雲が綺麗ね。色が綺麗ね。花が綺麗ね。蝶がステキね。犬がかわいいわ。かわいいぬこさま!構図がいいわね。カードにできそう。ボケ味がいいわね、ピントがいいところにきているわ。シャープね……。

これが自分の理解の限界なのかしらと。これは、砂糖や生クリームをなめて「甘い! 好き!」と感じ、みりんとしょうゆで煮込まれた、味のはっきりした料理や、塩とニンニクとコショウのきいたパスタを食べて「おいしい!」というのと同じかも。


凡人ここに極まれりって感じ? 凡人万歳!(号泣)

投稿者 suzumari : 2007年10月29日 14:51

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